先日、家計調査の最新版が公開されました。家計に関する多くの調査結果が含まれていますが、その中でも注目度の高いものの1つが、「平均消費性向及び黒字率」です。
- 平均消費性向=(消費支出÷可処分所得)×100
- 黒字率=(黒字÷可処分所得)×100
ちなみに「平均消費性向+黒字率」=100%ですから、平均消費性向と黒字率は表裏一体の関係にあります。
- 消費支出・・・モノやサービスを購入するための支出⇒生活費
- 可処分所得・・・収入-(所得税+住民税+社会保険料)
使われている用語の大雑把な理解はこのくらいで結構です。
ではここで皆さんにクイズを出しましょう。
- 勤労者世帯(2人以上)
- 勤労者世帯(単身)
それぞれの平均消費性向(又は黒字率)を予想してみて下さい。
では正解です。()内は黒字率です。
- 勤労者世帯(2人以上)・・・72.8(27.2)
- 勤労者世帯(単身)・・・67.3(32.7)
いかがでしょうか。意外に高い黒字率に驚かれた方も多いのでは。特に単身者のそれは「独身貴族」を裏付けるものです。
黒字率についてもう少し言及すると、長期的には上昇傾向にあります。理由は幾つか考えられます。
- デフレによる貯蓄意欲の上昇。(今後モノの値段が下がると予想するなら、後で買った方がトクと考える。)
- 給与の減少見込み(今後、給与が下がると思うなら、それに備えるため消費を手控える)
代表的なものを挙げるとこんなところでしょうか。黒字率の上昇というと聞こえはいいですが、理由を知ると世知辛くなりますね。
浪費はよくありませんが、適度な消費をしないと、経済全体に与える影響はマイナスになります。食事と同じで食べ過ぎはよくありませんが、かといって栄養不足で不健康になっては無意味ですよね。
かつての日本の高度成長を支えたのが「インフレ」以外の何物でもなかったとしたら少々寂しいですね。